
今回の記事では、以下の内容について調べてみました。
- 引越でよくあるクレームと解決方法
- クレームはどこに言えばいいか
- トラブルを未然に防ぐための対策
結論から言うと、よくある家財の損傷などのトラブルの場合、補償の期限は3ヶ月なので早急にお客様センターや営業店などに連絡を入れるようにしましょう。
また、トラブルを未然に防ぎ、スムーズに解決するためには
- 事前に契約書類を確認
- 荷物・床・壁などの写真を撮影
などの対策をしておくのがいいです。
・・・詳しくは記事をご覧ください!
引越でよくあるクレームと解決方法
引越では家財の破損・紛失などクレームの原因になるトラブルがしばしば発生することがあります。
引越はクレームの多い業界と言われています。ここでは、よくあるクレームとして以下のトラブルの内容と解決方法を紹介します。
- 家財の破損(荷物を壊された等)
- 家財の紛失(荷物をなくされた等)
- 家屋の損傷(床や壁を傷つけられた等)
- 約束の時間になっても来ない(遅れた、来なかった等)
- キャンセルに伴うトラブル(段ボールの返送料を求められた等)
家財の破損(荷物を壊された等)
タンス・ベッドなどの家具、テレビ・洗濯機・冷蔵庫などの家電製品、その他小物類などの荷物を運搬するにあたって雑に扱われたことが原因で破損。
業者に補償を求めても応じてもらえない、または提示された補償額に納得できない。
解決方法など
引越業者にクレームを入れて補償を求めましょう。後述しますが、事前に写真撮影して壊される前の状態を記録しておくと交渉がスムーズです。
ただし、家財に被害を受けた場合でも全てが全て補償を受けられる訳ではないので注意して下さい。
引越業者は、国土交通省の標準引越運送約款に基づいて補償を行いますが、その標準引越運送約款には以下のように書かれているのです。
第九章 責任
(責任と挙証等)
第二十二条 当店は、荷物の受取(荷造りを含む。)から引渡し(開梱こんを含む。)までの間にその荷物その他のものが滅失し若しくは損傷し、若しくはその滅失若しくは損傷の原因が生じ、又は荷物が遅延したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。ただし、当店が、自己又は使用人その他運送のために使用した者が、荷物の荷造り、開梱こん、受取、引渡し、保管及び運送について注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りではありません
このように、引越業者側に過失がなかった時は引越業者は責任を負わなくてよいとされているのです。
そのため、過失を認めたことにならないようになかなか謝罪もしない引越業者もあるといいます。
引越業者側に過失があったことを認めさせる必要があります。補償期間は3ヶ月以内とされています。時間が経てば記憶も風化していきますし、できるだけ早く業者側に申告するようにしましょう。
後述しますが、予め事前の状態の写真などを撮影しておくと、業者側に過失を認めさせ補償を受けるための交渉がやりやすくなります。
家財の紛失(荷物をなくされた等)
梱包した荷物を引越業者に預けたが、到着してみたら荷物がいつの間にかなくなっていた。
荷物を探しだして届けてもらうか、見つからなければ紛失した荷物を弁償してほしい。
解決方法など
荷物はできれば見つかるのが一番です。業者側に探し出して届けてもらうよう求めていくしかありません。
しかし、やはり見つけられない場合は荷物を弁償してもらえるよう求めていくことになりますが、その場合は前述の家財の破損の場合と同様、業者側に過失を認めさせなければなりません。
また、やはり補償期間は3ヶ月以内ですのでできるだけ早く申告するようにしましょう。
家屋の損傷(床や壁を傷つけられた等)
【例】荷物を運ぶ際、養生が不十分であったためか床や壁を傷つけられた。
解決方法など
床や壁を傷付けられた場合などもやはり同様です。業者側に過失を認めさせなければなりませんし、補償期間は3ヶ月以内ですのでできるだけ早く申告するようにしましょう。
約束の時間になっても来ない(来なかった、遅れた等)
【例】予定していた引越の時間に引越業者が来なかった。賃貸物件で明け渡しが遅れたしまったため違約金が発生してしてしまうので損害賠償をして欲しい。
解決方法など
繁忙期や遅い時間帯での引越などの場合、他の人の引越で時間がずれ込んでしまい、引越業者の到着が遅れてしまうような事態に見舞われることがあります。
それだけならまだしも、すっぽかされてその日のうちに引っ越しできないなんてことも・・・
このようなときに、引越業者に損害賠償を求めることは出来るのでしょうか。損害賠償標準引越運送約款には以下のように記載されています。
(損害賠償の額)
第二十六条 当店は、荷物の滅失又は損傷により直接生じた損害を賠償します。
2 当店は、遅延により生じた損害については、次の各号の規定により賠償します。
一 見積書に記載した受取日時に荷物の受取をしなかったとき 受取遅延により直接生じた財産上の損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償します。
二 見積書に記載した引渡日に荷物の引渡しをしなかったとき 引渡遅延により直接生じた財産上の損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償します。
これによると、「財産上の損害」が発生していればその合計額の範囲内で賠償してもらうことが可能です。
たとえば、
- 予定していた明け渡し日から遅れたため大家への違約金が発生した
- 引越に立ち会うための移動に使ったタクシー代が無駄になった
などといったような時であれば、かかった金額分の損害賠償を業者に求めることが出来ると言うことです。
キャンセルに伴うトラブル(段ボールの返送料を求められた等)
【例】引越の訪問見積もりの際に、業者が段ボールを置いていった。契約を断ったところ、段ボールの返送料を請求された。
解決方法など
小物類の梱包に使用する段ボールはサービスとして契約時などに置いていく引越業者は多いです。
実は、引越業者が段ボールを置いていくのはサービスという表向きの理由以外に契約をキャンセルされることを防止するという裏の理由があります。
段ボールの返送にかかる費用を躊躇してキャンセルを取りやめてもらうと言うことです。したがって、実際に契約してから段ボールを置いて行かれた場合、キャンセルしたら段ボールの返送料がかかるのは仕方のないことです。
しかしながら、中には契約していないにもかかわらず勝手に段ボールを置いていく例もあるようです。この場合には、「返送料がかかる」と言われても応じる必要はもちろんありません。「○月○日までに取りに来なければこちらで処分しますので」とでも言って業者に取りに来させれば大丈夫です。
クレームはどこに言えばいいか
クレームを入れる連絡先は、大手はお客様センター、中小業者は営業店が窓口となることが多いです。解決しない場合は、国民生活センターに相談してみてみてください。
実際にクレームを言いたいようなトラブルが発生したとき、どこに言えばいいのでしょうか。
作業員に連絡先を確認
引越でトラブルが発生してしまったとき、まずは作業員に指摘してみて反応を探ってみましょう。
しかしながら、作業員に交渉しようとしても、現場ではすぐに解決できないことがほとんどです。
そんなときは、その作業員に
「この件に関して相談したいときはどこに連絡すれば良いか?」
と連絡先を聞いてみましょう。すると、お客様センターや営業所など適切な対応窓口を教えてくれるはずです。
このときに、教えてもらった連絡先をメモするのに合わせて、状況も記録しておきましょう。その上で、できればその日のうちに教えてもらった連絡先に連絡してクレームをいれましょう。
大手はお客様センターを設置していることが多い
大手と呼ばれるような引越業者では、専用のお客様センターを設置しているところが多いです。クレームを入れる場合もそこに電話すれば大丈夫です。
しかし、中小規模の引越業者では、専用の窓口を設けておらず担当した営業店舗での対応となることが多いようです。営業店の対応に納得いかないからと本社にクレームを入れても結局は担当した営業店に差し戻されるといいます。
しっかりメモをして冷静に対応する
クレームを入れるときには、状況について淡々と冷静に説明しましょう。
そして、補償や返金などの話を提案された場合、その提案内容や対応してくれたスタッフの名前などをしっかりメモしておきましょう。
その場では即答せずに、信頼できる周囲の方と相談しながら交渉を進めていきましょう。
解決しない時は国民生活センターに相談
営利企業である引越業者は、できるだけ余計な出費はしたくありませんから、こちらが納得できるような対応を必ずしも提案してくれるとは限りません。
そんなときは、国民生活センターに相談してみてください。国民生活センターでは、引越に関しての苦情だけで毎年2000件以上の相談が寄せられていると言います。
トラブルを未然に防ぐための対策
事前に書類にしっかりと目を通すようにしたりすることによって、トラブルを未然に防ぐことができます。また、家財や壁・床の写真を残しておくことにより、いざというときのトラブルの解決がスムーズになります。
できれば、クレームを言いたくなるようなトラブルが初めから発生しないのが一番です。
そこで、ここではトラブルを未然に防ぐための対策やトラブルをスムーズに解決するための対策として以下の内容を紹介します。
- 引越業者が損害保険に加入しているか確認する
- 見積書・契約書等の書類にしっかり目を通しておく
- 家財や家屋の写真を残しておく
- しっかりと養生を行ってもらえるよう念を押しておく
引越業者が損害保険に加入しているか確認する
引越のトラブルには、荷物の破損や紛失など、荷物に関するものが多いです。
搬送中に交通事故やその他のトラブルが生じた場合も想定して、引越業者が損害保険に加入しているか契約時に確認しておくのがよいです。
そして、万が一の時の補償の条件や内容についても営業担当にきちんと説明してもらっておきましょう。
見積書・契約書等の書類にしっかり目を通しておく
トラブルを未然に防ぐために、引越業者から渡される書類には事前にキチント確認しておきましょう。
引越業者では通常、見積書がそのまま契約書になっていることが多いですが、ここには
- 引越の手順
- サービスの内容
- 法的な決まり(国土交通省告示の標準引越運送約款)
などが記載されています。
こうした書類に目を通すのは、慣れていない人にとっては面倒に感じるかもしれませんが、しっかりと読んで予め疑問を解消しておくことがトラブルを回避することに役立ちます。
家財や家屋の写真を残しておく
引越のトラブルには、家財の損傷や床・壁などの損傷などに伴うものも多いです。
家財や床・壁を傷付けられたことを指摘しても、業者側が「元々傷ついていた」としらを切ってしまえば、損傷したことの証明はなかなか難しくなってしまいます。
全ての家財や床・壁の写真を残しておくのは大変かもしれませんが、特に壊れやすそうな物や大きな家財の搬入・搬出経路になっている箇所を中心に出来る限り写真撮影して記録を残しておくとよいでしょう。
そうすれば、傷付けられる前の状態を証明することが容易になります。
しっかりと養生を行ってもらえるよう念を押しておく
家財や床・壁を傷付けられてしまって弁償を求めるよりも、そもそも傷付けられないことがベストです。
引越業者では、通常、家財や床・壁の養生を行って運搬を行いますが、業者によってどんな資材を用いてどのように養生するかは違ってくることもあります。
できれば契約時などに、どのような形で養生を行ってもらえるかを営業担当者に確認して、荷物や床・壁を傷付けることのないように念を押しておきましょう。
荷物の段ボールにナンバリングをしておく
特に多くの荷物がある場合、荷物がきちんと届いたかどうかはなかなかすぐに確認できないかもしれません。
次の現場があるからと作業員の方が急いでいたりすると、しっかりと確認もしないままに作業完了のサインをしてしまうようなこともあるかもしれません。
そこで、荷物がもれなくきちんと運び込まれているかどうかを素早く確認できるように、荷物を入れた段ボールには通し番号の数字を記入しておくのがオススメです。
そうすれば、欠落している番号があれば、運び込まれていない荷物があることがすぐにわかります。
まとめ
- 引越では家財の損傷・紛失や床や壁の損傷などのトラブルが多い。
- クレームを入れる連絡先は、大手はお客様センターに、中小引越業者は営業店にということが多い。
- 損害賠償や補償を求めるなら3ヶ月が期限なので早めに。
- クレームを未然に防いだりスムーズに解説したりするためには、事前に書類や家財の状況を確認しておく。
引越においては、
- 家財の破損(荷物を壊された等)
- 家財の紛失(荷物をなくされた等)
- 家屋の損傷(床や壁を傷つけられた等)
- 約束の時間になっても来ない(遅れた、来なかった等)
- キャンセルに伴うトラブル(段ボールの返送料を求められた等)
といったトラブルに関してのクレームが多いです。
損害賠償や補償を求める場合、3ヶ月が期限となっていますので、早めに(できればその日のうちに)連絡を入れるようにしましょう。
クレームを申し出るのは、大手引越業者の場合は苦情処理センターのような専用窓口がある場合もありますが、中小規模の業者の場合は担当した支店で担当することになります。
引越に伴うトラブルを未然に防いだり、トラブル発生の時にスムーズに解決するためには、事前に
- 引越業者が損害保険に加入しているか確認する
- 見積書・契約書等の書類にしっかり目を通しておく
- 家財や家屋の写真を残しておく
- しっかりと養生を行ってもらえるよう念を押しておく
といった対策を取っておくのがよいです。
全く役に立たない